エピデミック

エピデミック。疫学をテーマに、新型感染症と戦う姿を描いた凄い小説。川端裕人らしい深い取材に基づいたストーリー展開は見ていてゾクゾクします。自然科学の分野でありながら状況証拠からの演繹で理論を組み立てる疫学という分野がここまで面白いとは思わなかった。完全にミステリ。ラストの種明かしも綺麗で、満足満足。通常の小説ではあり得ない終章の作りではありましたが、分かりやすくなってて良かったです。

しっかし、これを2007年に書いてた川端裕人というのも凄いですな。新型インフルエンザとかが未だそこまで話題に出てなかった時期に、ここまで感染症についてツッコンだ取材して小説にしてるって先見の明がありすぎる。とにかく凄い。