「響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ」は断じて「響け!ユーフォニアム2」ではない!

響け!ユーフォニアム~届けたいメロディにドハマリしているのです。

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  1. 9/30(土) MOVIXさいたま シアター11
  2. 9/30(土) チネチッタ チネ8 LIVEZOUND
  3. 10/3(火) MOVIX昭島 シアター5
  4. 10/4(水) チネチッタ チネ8 LIVEZOUND
  5. 10/7(土) MOVIX京都 シアター11
  6. 10/8(日) ミッドランドスクエアシネマ スクリーン9
  7. 10/8(日) ミッドランドスクエアシネマ スクリーン10
  8. 10/14(土) チネチッタ チネ4
  9. 10/15(日) MOVIX亀有 シアター8
  10. 10/15(日) MOVIX柏の葉 シアター9
  11. 10/21(土) チネチッタ チネ8 LIVEZOUND
  12. 10/22(日) TOHOシネマズ海老名 スクリーン5
  13. 10/22(日) MOVIX昭島 シアター12
  14. 10/25(水) 横浜ブルク13 シアター6

と、4週で14回見ているのです。何度見ても飽きない、そんな届けたいメロディの感想を書きます。

もう4週たったしネタバレ気にせず書くのでよろしくです(原作の波乱の第2楽章前後編分も含む)

総評

そもそもアニメ2期の総集編という話だった様な気がするのですが、全くもって総集編でないのです。原作2巻・アニメ2期前半のみぞれと希美の話とか、滝先生の元奥さんの話とか、立華高校の梓とかバッサリ切ってしまって影も形もない。完全にあすかと久美子のお話となっているのです。

そうしたことでハッキリしたのが「届けたいメロディ」という主題。父親に演奏を届けたいあすか、姉にメロディを届けたい久美子、それぞれの想いが心を打ちます。

そしてもう一つ徹底されているのが、演奏シーンを逃げずに描ききろうとしている部分。メロディを届けたいのだから時間を割いて描くしかないよね、ということではあるのですが、105分の映画でフル楽曲を5曲(EDコミで)入れるとか頭おかしい(褒め言葉)。でもそれが絵と音を充実させることでバランスを崩さず、というより、映画の魅力として素晴しいアクセントになっていて兎に角見事でした。

また、ユーフォをとにかく主役に置いているのも見逃せないポイント。「響け!ユーフォニアム」という楽曲を主軸とした劇伴もそうですし、要所要所で出てくるユーフォ中心の台詞回しもブレない価値観を示していました。

そういう意味でも、本作は「響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ」という作品なのです。見る前は

なんてなツイートしてましたが、個人的には「ユーフォ届けたいメロディ」でしかないなぁ、というのが正直な印象。

チネチッタは発券されるチケットに「響け!ユーフォニアム2」と記載してしまったのですが

2の要素が2作目という部分以外に全くなく、外した感がありありですが、直したりはしないのかな・・・。まぁ、タイトル長いのでいずれにしろ省略が必要なのが難点ではあります。

時系列での感想

それはさておき、以下シーン毎に思ったことをつらつらと書いてみる

ユーフォがあすかに届いた日

ロリメガネあすかが兎に角可愛い。箱に近づく足踏み・箱を押して運ぶモーションが凄い上、箱をのぞき込むのとユーフォと声に出すシーンの表情が素晴らしい。この映画はあすか主体でいくよという宣言であろう。

関西大会演奏前

そこから月日を飛ばして関西大会。あすかが発破をかけるシーンに限定していることもあり、主役感がハンパない。

プロヴァンスの風

そこからオープニングを兼ねた関西大会の演奏。プロヴァンスの風のフル。テレビで三日月の舞のフルサイズをやってしまっていたので、映画はプロヴァンスの風のフルかなー、と思っていたらいきなり全力出してきて驚いた。

特に凄いのは出だし。いきなりの全力の音量でいろんな楽器の音を飛ばしてくるのが見事。そして、演奏に負けない映像。演奏カットも新規にいっぱい作っていて見事なのですが、個人的には真ん中あたりにある、斜めになりながらの遠景パン→天井からのカメラ、の部分が好き。すげーセンスだよ。

あと、演奏シーンは画の角度に関わらず、音の左右が固定されているのが心地よさを産んでいる感じ。左のトライアングルや木琴といったところから右側のコンバスまで綺麗に鳴り分けられています。まぁ、木琴は劇場によっては聞こえなかったりしますが(苦笑)

学園祭

ほぼほぼTV版にはなくて新規描き下ろしばかりの学園祭。「こども」と「おとな」でイチャイチャするシーンはこの映画で唯一麗奈が活躍するシーンですが、後半のシーンに繋がる重要な台詞。こうやって組み込んでくるか、と感嘆。

そして、この映画の核となるあすか先輩との「ユーフォ好き?」というシーン。TV版だと積み重ねであすかのキャラ立てをしていたものを、今回の映画ではこのシーンだけで何かひっかかる先輩、というところを産みだしていて、巧く作った脚本だなぁ、と。

学園祭の演奏であるところの学園天国は今回の映画の中で唯一フルにならなかった楽曲。前半はテンポ良く進める形の映画にするがためにはしょうがなかったところかな。

演奏後のシーンについては、台詞の時系列が何かおかしいのが気になった。夏紀との会話ってアフレコ時点では演奏の前だったのではないかな? 編集でうしろへもってきたがゆえに、何か変な感じになっている感。

あと個人的に気になったのは、背景のわくわくアイデアコンテストで受賞していた手芸部。なんでそんなネタ仕込んでるんだ?

不穏な田中家

こちらも映画での新規カットの田中家での親子コミュニケーション。学校では凜とした先輩であるところのあすかが、家ではどこか不安げな娘をしているというのが新鮮。会話部分でとにかく屈折した素直でないコミュニケーションをとっていて、なかなかにホラー。キャラの深みが出ていて素晴しい。

黄前家帰宅シーン

一方の黄前家。噛み合わない田中家とは対照的に、分かりやすい会話のやりとり。決して仲良しという感じではないものの、健全なすれ違いという感じがいい味を出していました。

カンニングブレス~合宿

TV版とは構成を変えて関西大会の後ろにもってきたのがこのあたりのシーン。みぞれ関係のイベントが全部置き換えられても自然に見れるのが凄い。合宿の時の睡眠不足がまくらのせいにされてるのには苦笑を禁じ得ませんでしたが。

職員室バトル

そして職員室での明美さんの活躍シーン。TVシリーズの時からですが、「枷」のシーンでなぜかあすかの胸を強調するのが不思議である。どういう演出意図なんだろ。

翌日の低音パート廊下やりとり~Please be quiet!

尺短くしたせいでそんなに一気に訊かれても回答できません、というのがなんか変な感じになってしまっていたり。それはさておき、廊下のシーンの足や、渡り廊下の背中で、感情描くのが凄い。このシーン以外も含めて、この作品、台詞とか表情とか以外の描写がホント巧い。

「なんですかコレ」~晴香演説+優子返答シーン

「なんですかコレ」は脚本上のサービスですかね。その後の晴香の演説シーンに繋ぐための流れではありますが。ただ、このパートもTV版に比べて尺を圧縮されてしまったので、晴香の台詞も優子の台詞もちょっと説得力が落ちちゃったかなぁ、というのは残念ポイント。ただ、このシーン、一番の見所は香織のしーっのポーズ。香織先輩まじエンジェル(優子風に)

駅ビルコンサート

宝島もフルでの演奏! 特に、晴香のソロのあとの追加シーンが素敵。あすかの表情も見事だし、それを見つめてスッと演奏にいく晴香の素っ気なさも信頼関係が表れてる感じでよかったです。

あと、凄くどうでも良いけど、何度も見てようやく分かったこととして、駅ビルにやってきたあすかは黒ストだったのに、演奏中は白ソックスに履き替えてるんですね。駅ビルのどこかで着替えているのを想像せずにはいられません。

メガネなしあすか

メガネがないと魅力が半減だな(個人的な感想です)

それはさておき、この金のユーフォと銀のユーフォが並んだパンフは、明らかに久美子とあすかのメタファーなのですが、それを見て微笑むあすかがなんともいじらしくて愛おしい。

黄前家のバトル

麻美子爆発の部分はTV版だと複数日なので服装の統一性がないがそこはツッコミ入れてはいけないんだろうなぁ。麻美子の論理も健太郎の論理も間違ってはおらず、それがゆえになんとも歯がゆい。ありがちな話ではあるのですが、そこを逃げずに描いているのが素晴しいです。

久美子と秀一の廊下のシーン

このシーン、局所的に話題になって以来、見る度に笑いをこらえるのが辛いのですがどうすれバインダー!!

マンションエントランスの真美子対秀一

この2人の関係性もなかなか面白い。秀一にドキッとするような台詞をあびせかけられても、麻美子は久美子とのことしか考えて無さそうなのがなんとも。

あすか邸訪問

このあたり時系列おかしいよね。滝先生は今週中にハッキリしなければ夏紀にすると言っているのに、あすかとの勉強会は来週で、そのあたりをあまり斟酌している雰囲気がない。編集したときにそのあたりを詰め切れていない感じがする残念ポイント。

それはさておき、このエピソードで特筆すべきなのは素足のあすか。黒ストでもなく白ソックスでもなく素足ということで、心情を吐露することのメタファーなのでしょうが、なかなかに新鮮。

あと「枷」という言葉が再度登場するのが趣深い。田中家の枷は闇が深いなー。

味噌汁~ちょっとさびしい~京阪宇治線での号泣

味噌汁焦がすってどうしたらそうなるんだろう・・・。というのはさておき、このあたりのエピソードはホント無駄なく作られていて何回見てもただただ圧倒される。特に麻美子の独白の説得力といったら。

あと京阪宇治線内のモブ姉妹(姉妹だよね?)が可愛い。学生時代4年間宇治線で通ってましたが、あんな可愛い客はいなかったと思う(いや、朝の上りには乗ったことがないのでそのせいかもしれませんが)

渡り廊下での久美子とあすか

久美子役黒沢ともよの演技が兎に角凄い。TVアニメ版とは違う再録で新しい芝居なのですが、TV版以上の迫真の演技。みんなを主語に語っている空虚な説得と、私を主語に叫んでいる想いの吐露の対比がこの上ない迫力を生んでいます。

相方のあすか役寿美菜子の返し、特に「でもうれしいね」、も見事で、ホントこのシーン最高としか言い様がないです。

あすか復活

職員室から出てきたあすかが一瞬嗚咽を漏らすのが、その精神力ギリギリ感を表しているようでなんともいい感じ。やっぱりあすかも特別じゃないよね、というところで。

その上で、すぐにスタスタ歩き出すのもあすからしい。やっぱりあすかは特別だよね。

そして、あすかが帰ってきたところでの夏紀の表情がなんとも素晴しい。このシーン以外も含めてホント夏紀は終始素晴しい役どころで、この映画の助演女優賞だったと思います。

センチュリーホールの演奏前

名古屋人ですがセンチュリーホール行ったことない・・・。

というのはさておき、全国大会のパートは演奏まではそんなに見るべき所はない。

そんな中でも、TVアニメは斉藤葵に対してお姉ちゃん「も」見に来ているという設定だったのが、斉藤葵をカットしたことで自然に進藤正和に対しての台詞になっているのが面白いと思った。

そして、演奏開始前に進藤正和と黄前麻美子のカットが入るのもニクい。

三日月の舞

そして三日月の舞。TVアニメでフルを実現してしまっていたからこそ、どうするんだろうと思っていたのですが、あすかと久美子のアイコンタクト入れたり、楽譜上の落書きが全国大会バージョンになっていたりするのがなかなか面白かった。勿論背景はセンチュリーホールになっているし、全キャラの袖にリボン着いてるし、すげー手間かかってました。

表彰~伝言

進藤正和からの伝言シーンでとにかくニヤニヤが止まらない。直球ストレートな演出でしたが、届けたいメロディが届いた!というのを的確に表現していてとにかく満足するシーンになっていました。

あと、優子→麗奈の来年こそ、とか、あすか→夏紀のよろしくね、とかいう台詞は来年の結果を知ってしまった原作読者にとってなかなかキツかったです。全国金賞はやっぱりハードル高いよね、という。

〆の挨拶

晴香とあすかの挨拶はさておいて、麻美子を追いかける久美子を見守るあすかの優しい顔が印象的。これもTVアニメ版にない新規カット。

その一方で、その後の久美子と麻美子の部分はバッサリカットして、あすかとのやりとりを追加してそれで想像させるという拘りの作り。

そんな中でも「黄前ちゃん、ユーフォ好き?」の後の久美子とあすかの表情の素晴らしさ。冒頭の学園祭のユーフォ好きの不穏な感じの表情との対比がなんとも凄いです。

卒業式

ここはほぼ完全にTV版通りの展開。何も足したり引いたりすることのない完成度だったので致し方あるまい。

タイトルの「響け!ユーフォニアム」を回収するのがホント綺麗なお話の作り。

響け!ユーフォニアム

そして、〆は水道橋の下での演奏の回想シーン。ひょっとしてスタッフロールに使うのかな、とも思っていたのですが、EDとは別にエピローグ的にフルサイズを使うという贅沢仕様。

この演奏は、冒頭は宇治川の流れる音とかの環境音が入っているのが、途中からは完全に環境音を排してユーフォニアムソロになるのでした。「響け!ユーフォニアム」という主題がそのまま表現された素晴しい演奏でした。

映像も音楽に合わせるのではなく、あくまでエピローグに徹していて、笑い合う2人で締めているのが素晴しかった。あすかのベストショットといって間違いない!

サウンドスケープ

そしてエンディング。

1作目の劇場版は乗降禁止おねいさんという飛び道具を持ち出していたのですが、今回は普通に北宇治高校吹奏楽部員のうち、今作でそれなりに顔を出したメンバを順番に描くという分かりやすいエンディング演出。

TRUEの歌唱が吹奏楽に負けてないのが凄いし、ユーフォをボーカル代わりに使うというこのアレンジにはただただ感服いたしました。

(予告)リズと青い鳥

そして最後に入る来年の映画の宣伝。このパートだけ音響が本編と違う調整になっていて、どの劇場で見ても鳴り方が変なのがなんとも。劇場で流すんだからもうちょっと頑張って欲しかったなー。

全体を通じて

どう考えても、あすかと麻美子を対比している作品ではあるのですが、直接的な比較は一切無いというのは特筆すべき所かも。誰にでもあるような話であって、とりたてて明文化して比較するほどではないということかなあ、と。

そして、テレビシリーズのエッセンスは活かしつつも1本の独立した映画として成立させてしまった手腕はやはり凄いとしかいいようがない。いやはや、ホント感服いたしました。

今後のユーフォの展開はっ?

気になるなのは、来年?の映画達。みぞれと希美の「リズの青い鳥」はそこそこ纏まりそうな気がするし、オーボエ覚醒のシーンがどういう演奏になるのか期待しかないのですが、もう1作はどうするつもりなのだろ? 原作読んだ感じだけだと優子部長とか新1年生のエピソードは映画にするには弱いとしか言わざるを得まい。

久美子部長の話まで描けるのであれば転がし方によっては面白くなりそうだけど、果たして尺的にそこまで描けるものなのかどうか。オリジナルにするとか、立華高校が舞台だとかしたほうが面白くなるかも。

さっぱり想像が付かないけど期待したいものである。

まとめ

響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ」はホント自分にとっては素晴しく心に刺さる映画でした。それも、自宅でしょぼいスピーカーやそこそこのヘッドホンで楽しむのとは確実に違う劇場での音響を機会がある限りは楽しみ尽くすことになりそうです。

松竹配給の映画がゆえに、公開時はかなり限られた公開館となってしまっているので、セカンドランでの音響自慢のハコでの上映を楽しみにしたいと思います。AC幕張新都心ULTIRAとかAC海老名THXとかシネマシティcスタとかでセカンドラン上映される日が楽しみです。あとはテレビシリーズ一挙上映とかないのかなー。万難排して見にいくのにー。