sense off 15周年記念: 個人的お気に入りエロゲ/ギャルゲ20選

気付けば2000/08/18からはや15年。ということでこの15年間のエロゲ/ギャルゲを総括してみようかな、ということでお気に入りの20作を選んでみました。自分の思い入れ中心に、ユニークなモノ・時代を作ったモノをチョイス。

今からプレイするのはオススメできないかもしれませんが…。

さっそく20選

20. 恋姫†無双 ~ドキッ☆乙女だらけの三国志演義~ (2007/01/26 BaseSon)

歴史上の人やら戦艦やらをキャラクタ化するというのは、この作品の成功に起因しているのだろう、という三国志人物のキャラ化作品。 史実を巧いこと取り込んで萌えゲーにしたというところが素晴らしい。

19. 家族計画 (2001/11/02 D.O.)

笑って泣いて笑える作品と言えばという代名詞になってしまったのが家族計画。時代が時代ならアニメ化オファーとかあったろうに、生まれるのが早すぎた感。

18. 木洩れ陽のノスタルジーカ (2013/02/22 STREGA)

ヒューマノイドと人間の関係性を描いた暖かい物語。SFジュブナイルとしてツボを突いて良い作品でした。

しかしながらブランド2作目は出ず、発売2年保たずOHPも消失。ああ無情。

17. ef (2006/12/22, 2008/05/30 minori)

前半は演出主導で魅せる作品だったものが、後半はそこで蒔いた種をベースにお話主導の展開をみせて楽しめる作品でした。

演出の物量勝負としてはエロゲ史上最大ではないかしらん。

16. ぱいめが (2005/06/24 smart)

眼鏡礼賛のバカゲー。直球ストレートにきちんとネタを作り込んでバカをやらかしてるのが素晴らしい。

惜しむらくは人気の出そうな絵柄でなかったが故に、世間的にはスルーされてしまったところ。

15. はるまで、くるる。 (2012/04/27 すみっこソフト)

エロで笑いをとりつつ、本編のシナリオは壮大なSFという珍しい作り。悪夢と終末のハーレムというキャッチコピーに相応しい仕上がりとなっています。

ぶっちゃけ後半は勢いだけで乗り切った感はありますが…

14. R.U.R.U.R ~ル・ル・ル・ル~ このこのために、せめてきれいな星空を(2007/04/27 light)

SFおとぎ話、としてまとめた人とロボットの関わりを描いた怪作。舞台設定自体がかなりのハードSFで、その一方エロゲという媒体にしたことで社会を多角的に捉えてて、よくもまぁこんなトチ狂ったお話を作れたものだと感心することしきり。

13. Ever17 -the out of infinity- (2002/08/29 KID)

打越鋼太郎作品は軒並み好きなのですが、やはりEver17が一番バランス良く出来ていて良い作品です。閉鎖環境からの脱出という表の筋書きと、AVGといゲーム形態を活かした大きな話作りとをうまくハイブリッドさせて、かつ、カタルシスを最大にもってくる作りには唸らされました。

12. さかしき人にみるこころ(2008/05/30 light)

キーワードは「学園物」「知性派眼鏡っ娘」「クーデレ」「絶対領域」ということで、ターゲットとして狙い撃ちされて撃破されました。狙いすぎというのを感じつつも、史上最高の眼鏡っ娘ヒロインといわざるを得まいという感じ。台詞回しがとにかく良くて感服いたしました。

11. らくえん ~あいかわらずなぼく。の場合~ (2004/06/25 Terralunar)

エロゲーを愛する全ての人のための、エロゲ作りを題材にした、エロゲへの愛の告白作品である。いろいろダメな感じはあるものの、00年代前半のエロゲ界の雰囲気をよく表してて非常に良い作品でした。

要するにエロゲにおけるSHIROBAKO。

10. Forest (2004/02/13 Liar-soft)

お話ゲーの極地。「物語」というものを描こう、というテーマ設定を掘り下げられるだけ掘り下げてて素晴らしい作品。画面表示用のシナリオ、音声位演出用のシナリオ、グラフィック、音楽を丁寧に作り合わせて「物語」を創りあげています。

とんでもない演出が出来るなぁと当時は感服したものですが、後追いする気力のあるブランドも無く廃れてしまったのが残念(まぁ金と才能が必要そうですけど)

9. CANNONBALL ~ねこねこマシン猛レース (2003/02/03 Liar-soft )

これぞエンターテイメント。宇宙で行われるレースを舞台に、大量のキャラで大量の小話を量産する傍ら、一本の大きなストーリーを描ききるその流れに圧倒されました。そして音楽の盛り上げ方も素敵。

個人的には大阪でイベントに参加して小梅けいとさんのサインを貰ったのも良き思い出。TECHGIAN版は買ったものの未プレイだなそういえば。

8. シンフォニック=レイン(2004/03/26 工画堂)

しろさんのほんわかした絵柄と岡崎律子さんの素晴らしい楽曲群とどうしようもない救いの無いお話のアンバランスさが唯一無二の変な作品に仕上がっていてとても印象的です。

7. WHITE ALBUM 2(2010/03/26, 2011/12/22 Leaf)

三角関係ものの終着地、という感じのお話。前作(1998年なのでこのリストから外してます)から楽曲とエッセンスだけ残した全く新しいお話ではあるのですが、巧い具合に煮詰められたシナリオが兎に角圧巻。特に凄いと思ったのが「行かない」「行けない」の2択という選択肢。行動の分岐ではなく想いの分岐っていうのは凄いセンスだなぁと感心。

6. カスタムメイド3D VR(β1.04 - 2014/10/14 KISS)

ここで毛色の違うモノを。今後、エロゲがどう発展していくか、というあたりはここんところずっと気にしてはいるのですが、一つの方向性かな、と思ったのがOculus Rift対応なのかな、というところ。詳細は去年のエントリ参照

続編CM3D2ではもっとなんか凄いモノが出てくるのかと思ったのですが、今のところ単純バージョンアップに過ぎないので、今後に期待したいところです

5. しろくまベルスターズ♪ (2009/12/11 Pulltop)

5位以上がなんかたまに再プレイをしてしまう作品群。NFL中継を見る→HAPPY HOLIDAYSとやた画面に出てくる→そうだしろくまベルスターズだ、という流れが自分の中で定着してしまっていたり…

それはさておきクリスマスをテーマにした分かりやすいお話。ほんわか暖かいお話なので、冬にほっこり出来るのがいいところですな。音楽やムービーでの演出も楽しい作品です

4. この青空に約束を―(2006/03/31 戯画)

元気が無いときに起動してしまうのが本作。「わたるくん わたるくん わったるくーん!」という台詞に本名プレイ者は癒されるのであった :-p

3. My Merry May with be (2002/04/25, 2003/07/10 KID)

正直言うとあまり出来が良いとは思っていないけど、なんでか好きなのがMMM。ロボットと人間の関係、そして生と死というテーマに真っ直ぐ斬り込んでいるその姿勢が好きなのかも。

2002年のMy Merry Mayと2003年の続編My Merry Maybeがあって、それのセット+αがMy Merry May with beという分かりづらい商品構成。たまに起動してしまうのはMay OPのBUGが聴きたくなるというのが大きな要因かも。日本語と英語のバイリンガルなOPがなんとも癖になります。

2. 群青の空を越えて (2005/09/30 light)

後にも先にも類似作品がない仮想戦記モノ。西と東に別れて日本で内戦してて主人公は東のグリペンパイロット、とかライターの趣味としか思えないような設定ではありますが、その振り切り具合がなんとも面白いお話でした。

なんでか定期的に再プレイしたくなる作品で、バンカーバスターに至るどうしようもない流れだとか、総員着剣のやるせなさだとか、ラストの制空権を賭けたバトルだとか、印象的なシーンがいくつもあって、何回プレイしても飽きが来ないのが不思議。兎に角心に残っているエロゲです。

1. sense off (2000/08/18 otherwise)

個人的に最も美しく綺麗に整ったエロゲ。部分的なのを含めるとかなりの回数の再プレイをしている気がする。

特殊能力がある可能性があるということで認識力学研究所に連れてこられた主人公が擬似的な学園生活送るというお話。あらすじだけ書くとCharlotte(アニメ)っぽいけどそんな感じではなく、キャラクタとの関係性を描いた怪作。

何と言ってもエロゲというフォーマットを活かしきった文章構成が素晴らしいのである。クリックで次にすすむという構造を活かして、小気味良いテンポで繰り広げられるお話が、読んでいて非常に楽しいです。特に、個人的に印象深いのが、珠季の世界の変容のシーン。文章のキレとそれに合わせた演出に伴い、ゾクゾクする感覚を味わうことが出来ました。

あとは、音楽も凄く良かった。コズミック・ランはボーカル無しのエロゲ曲としては未だに一番だと感じています。

ただ、こないだメガストア版で再プレイした時は流石に古いなーと感じるところもあったり。いかんせんしょうがないか。

総括

我ながら纏まりの無いラインナップになってしまいました。SFとメガネが多めですが…

結局、sense off以降にsense offを超える作品に出会えてないというのが結論だったりします。総合的には凄いものも多いのですが、頭をがつんとぶん殴られたような衝撃を感じることが無かったなー、というところ。

そして、こうしてリストアップしてみると、2010年代は数少ないよなぁというのが改めて分かってしまったり。業界自体の縮小と、主要ライターのライトノベル/アニメへの流出が重なってしまったこともあり、エロゲ/ギャルゲの衰退を強く感じます。如何せんエロもライトノベル/アニメでかなり寛容になってしまってるので、媒体としての特色もなくなってきてますし。

ということで、今後はやはりVRに期待したいところではあります。サマーレッスンやカスタムメイド3D2のVRを体験してみるとよく分かるのですが、キャラが目の前に実在する感覚というのは他のメディアでは絶対得られない体感です。来年出てくるOculus/Morpheusを使った作品に期待しつつ、自分でも作れるようになっていきたい所存。昨年末にちょろっと触ったきりになってしまってるし。

おまけ:sense offより古かったので対象から外した作品群

下二つはさておき他はsenseoffよりは新しいと思ったんだけどなー。